動物にも『血液型』があった ゴリラの血液型はB型だけというのは本当なのか

雑学

動物にも血液型はある!

人間の血液型は、A・B・AB・Oの4つに分かれる「ABO血液型」や、Rhが陽性(プラス)か陰性(マイナス)かをみる「Rh血液型」といった有名な分類方法があります。

その違いは、血液中の赤血球の表面に存在する抗原です。合わない血液を輸血すると重い副作用を引き起こしてしまうため、それを防ぐ大事な情報源としても血液型は活用されています。

ところが、じゃあ「人間以外の動物の血液型は?」と聞かれると、そういえば知らないという人も多いのではないでしょうか。ここからは、人間以外の動物には血液型があるのかどうかや、動物の血液型に関する噂の真相にも迫ってみましょう!

人にとって身近な犬や猫の血液型

動物の中でも、犬や猫は人間にとってとても身近な存在ですよね。そんな犬や猫にも、実は血液型が存在します!しかし、人間とそっくりそのまま同じかというと、そうではありません。

例えば犬は、人間のようなABO血液型ではなく、「DEA」という抗原を赤血球が持っているか、持っていないかで分けられています。

このDEA血液型は13種類以上あると言われていて、中でも輸血の時に重要になるのは、「DEA1.1」という型。陽性(プラス)か陰性(マイナス)かを調べて、治療の時に役立てているというわけです。

猫では人間と同じように、A型、B型、AB型と血液型を3つに分けることができますが、O型だけは存在しません。

猫の品種や住んでいる地域で割合は変わるものの、日本にいる猫の80%以上がA型、残りの10~20%がB型、そしてかなり稀でほとんどいないのがAB型となります。

ゴリラの血液型はB型だけ…じゃなかった!

犬猫以外の動物の血液型で、よくある噂の1つに「ゴリラはすべてB型である」というものがあるのをご存じでしょうか。実はこの噂については、正確ではありません。

ゴリラは、大きく分けて「ニシゴリラ」と「ヒガシゴリラ」の2種類がいます。

さらに細かく分類すると、ニシゴリラは「ニシローランドゴリラ」と「クロスリバーゴリラ」、ヒガシゴリラは「マウンテンゴリラ」と「ヒガシローランドゴリラ」となっていて、そのうち最も生息数が多いニシローランドゴリラの血液型がB型のみであるというのが事実です。

日本で見られるゴリラはすべてニシローランドゴリラなので、その点で言うなら「ゴリラはすべてB型である」というのはある意味で正しいでしょう。

しかし、ヒガシゴリラに含まれるマウンテンゴリラの血液型はA型またはO型、ヒガシローランドゴリラはB型またはO型と、ゴリラ全体で見ればB型以外の血液型を持つ亜種も存在しているのです。

犬猫やゴリラ以外の動物の血液型は?

犬猫やゴリラ以外の多くの動物たちにも、血液型はあります。

例えば、ゴリラと同じく人間に近いサルとして知られているチンパンジーでは、90%以上がA型、その他はO型だけが確認されていて、B型やAB型は見つかっていません。サルの仲間で言えば、オランウータンはA・B・AB型、ニホンザルはB・O型が存在しています。

また、家畜として飼われている牛はほとんどがB型、豚も90%以上がA型です。さらには、クジラやカメにも血液型はあり、B型をもつ動物として知られています。

血液型は同じに見えても人間と動物の血液は別物

ただし、ABO血液型以外の方法で分けてみると、十数種類以上の型に分けられる動物もざらにいて、血液型というのは何とも不思議です。人間と同じA・B・O・AB型だからといって、動物の血液を人間にそのまま使えるかというとそうではありません。

家族として一緒に暮らしている犬や猫でも、やっぱり人間とはまったく別の動物。もしも動物病院などで検査をする機会があれば、注目してみると面白いかもしれませんね!

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