シュウマイといえばグリーンピース? 不思議なトッピングの理由とは
「シュウマイ」と聞いて真っ先に思い浮かべるのは、真ん中に乗ったあの緑のグリーンピース。しかし、ふと考えると「なぜシュウマイにグリーンピースなのか?」と疑問に感じる方もいるかもしれません。
実は、はっきりとした理由はわかっていませんが、いくつかの説が語り継がれています。ここでは、シュウマイの「お約束」ともいえるグリーンピースに込められた背景を順に紐解いていきましょう。
ショートケーキのイチゴを真似? 食卓を楽しませるための工夫
まずは、グリーンピースの彩りにまつわる有力な説から。
戦後、冷凍食品の普及とともにシュウマイも学校給食や家庭の食卓に登場するようになりました。当時の冷凍食品メーカーが「シュウマイも子どもたちが楽しめるように」と、ショートケーキのイチゴを模した装飾としてグリーンピースを乗せたとされています。まだ甘いものが珍しかった時代、食事に少しでも楽しさを加えたいという心遣いだったのかもしれません。
また、グリーンピースの緑がシュウマイの白い生地に彩りを添え、「見た目を引き立てるアクセントになった」との意図もあったと言われています。真っ白なシュウマイにちょこんと乗った緑色のグリーンピースが、見た目にメリハリをつけ、食事の楽しみを増してくれたのでしょう。
学校給食で活躍?数を数えやすくする工夫
さらに、グリーンピースがシュウマイに乗せられる理由には、「数えやすくするため」とも言われています。
学校給食では大量のシュウマイを用意しなければならず、一つ一つにグリーンピースを乗せることで数が把握しやすくなると考えられていたそうです。特に、教室ごとに配膳する際には、一目で数量が確認できるため、給食現場にとっては合理的な工夫だったのかもしれません。
また、シュウマイがしっかり蒸し上がったかを確認する「蒸し加減のチェック」にもグリーンピースが利用されていたと伝えられています。しっかり蒸されるとグリーンピースの緑色が鮮やかになり、ちょうど良い加減で調理できたかを見た目で確認する目印だったという説もあるのです。
時代の変化とともに…グリーンピースが減少している理由
さて、近年ではシュウマイの上にグリーンピースを乗せるスタイルが少なくなっているのをご存知でしょうか?
その理由には、時代とともに変化する食文化が大きく影響しているようです。冷凍食品のバリエーションが増え、エビやカニといった高級食材を用いたシュウマイが登場したことで、あえてグリーンピースで彩りを加える必要性が薄れていったと考えられています。
さらに、グリーンピースの生産量も年々減少傾向にあります。かつては身近な食材だったグリーンピースも、今では少しずつ見かける機会が減っており、シュウマイの「お約束」が時代の流れとともに変化しつつあるのです。
あの崎陽軒のシウマイにも?消えゆくグリーンピースと独自の工夫
シュウマイといえば、崎陽軒のシウマイを思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、意外にも崎陽軒のシウマイには、グリーンピースが上に乗っていません。具材に練り込まれているスタイルで、緑の色味が翡翠(ひすい)を思わせ、ちょっとした幸運のアイコンとしても親しまれているのです。
崎陽軒は、シュウマイの味と品質を長年にわたり守り続けてきました。そのこだわりから、「冷めてもおいしい駅弁」を目指して独自のシウマイを提供しており、その中にグリーンピースも含まれているのです。さまざまな工夫が重なってできた「崎陽軒のシウマイ」は、まさに日本のシュウマイ文化を象徴する存在となっています。
グリーンピース付きのシュウマイに出会えたら、それは「当たり」かも!
今では、グリーンピースが乗ったシュウマイを見かけることが少なくなったため、それに出会えた時は「当たり」と感じる人もいるようです。特に町中華などの飲食店では、いまだにグリーンピース付きのシュウマイに出会えることもあり、懐かしさと共に食事を楽しむことができます。
もし見かけたら、「ラッキー!」と感じるのもひとつの楽しみかもしれませんね。家族や友人にその歴史やエピソードを話してみてください。「実は、シュウマイのグリーンピースには、こんな物語があるんだよ」と、会話のネタとして盛り上がること間違いなしです。
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