実は1400年前から!蒸し風呂の歴史
「サウナにハマってます!」そんな声をよく聞くようになった最近。でも実は、日本人は昔から「サウナのような入浴」を楽しんでいたって知っていましたか?それが「蒸し風呂」なんです。
壬申の乱といえば、中学校の歴史の授業で習いましたよね。実はこの時、後の天武天皇が「八瀬の釜風呂」という蒸し風呂で矢傷を癒したという記録が残っているんです。つまり、なんと1400年以上前から蒸し風呂は存在していたということ。
当時の蒸し風呂は、洞窟や「室(むろ)」と呼ばれる狭い部屋に海藻を敷き詰め、その下で木材を燃やして水蒸気を充満させる仕組みでした。ちなみに、現代の「風呂」という言葉は、この「室(むろ)」が語源なんだとか。なるほど、だから「お風呂」って呼ぶようになったんですね!
『サウナ』と『蒸し風呂』の違い
「結局、サウナと蒸し風呂って何が違うの?」これ、実はとても面白い違いがあるんです。
まず温度と湿度。サウナは「カラッカラに乾燥した熱気」なのに対して、蒸し風呂は「ジメッとした蒸気」という感じ。数字で見ると、サウナは温度80~100度なのに湿度は20~40%。対して蒸し風呂は温度40~60度で湿度はなんとほぼ100%!
ある老舗銭湯の店主は「サウナは砂漠の真昼、蒸し風呂は熱帯雨林みたいなもの」と例えていました。確かに言い得て妙ですよね。この違いは実は、入浴効果にも大きく影響してくるんです。
また、体への負担の違いも見逃せません。サウナは高温なので心臓への負担が大きめ。一方、蒸し風呂はマイルドな温度で、特に温められた蒸気が体を優しく包み込むような感じ。だから、お年寄りや子どもでも比較的安心して楽しめるんです。
意外と知らない!蒸し風呂が進化した理由
実は蒸し風呂、時代とともにいろんな形に進化してきたんです。江戸時代になると「板風呂」という新しいスタイルが登場します。これ、なかなか面白いんですよ。
蒸気を逃がさないように引き戸を設置した「板風呂」。当時の人々は「なんとかして蒸気を閉じ込めたい!」と考えたんでしょうね。この工夫、現代のサウナにも通じるものがあります。でも、ここからがさらに興味深い。
その後、「戸棚風呂」という新しいタイプが生まれます。これが画期的で、下半身はお湯に浸かり、上半身は立ち上る蒸気を浴びるという”ハイブリッド型”。まさに、お風呂と蒸し風呂のいいとこ取り!
この発想がさらに進化して「柘榴(ざくろ)風呂」に。蒸気が逃げないように浴槽と洗い場を分けた賢い設計で、これが今の銭湯の原型になったんです。先人の知恵って、本当にスゴイですよね。
老舗銭湯の店主が語る!『蒸し風呂』と『サウナ』の選び方
「結局、どっちがいいの?」そんな声が聞こえてきそうですが、実はそれ、とても良い質問なんです。
40年以上銭湯を営む店主は、こう語ります。「お客さんの体調や目的によって、オススメが変わるんですよ」
たとえば、ゆっくりリラックスしたい人には蒸し風呂がおすすめ。湿度が高く温度が低めなので、長時間楽しめます。特に冷え性や肩こりの人には、じんわりと体が温まる蒸し風呂が効果的なんだとか。
一方、サウナは新陳代謝を上げたい人や、汗をたっぷりかきたい人に向いています。ただし、高温なので心臓への負担は大きめ。特に高血圧の人は要注意です。
『蒸し風呂』と『サウナ』を120%楽しむコツ
「よし、両方試してみよう!」そう思った方のために、もっと楽しむコツをご紹介。実は、蒸し風呂もサウナも入り方次第で効果に大きな違いが出るんです。
まず蒸し風呂の場合。昔から伝わる入り方には深い理由があります。最初に体の汚れをシャワーで流し、それから蒸気浴に入るのがベストとされています。その理由が面白くて、肌の毛穴が十分に開いてから蒸気を浴びることで、より効果的に体が温まるんだそう。
ベテラン銭湯関係者の間で言い伝えられているコツがあって、「15分を目安に、のぼせない程度でじっくり」というもの。確かに、ゆっくりと蒸気に包まれているうちに、体の芯から温まってくるのを感じられます。
一方のサウナは、また違ったアプローチが効果的。フィンランドから伝わった「ロウリュ」という作法では、熱した石に水をかけて一時的に温度と湿度を上げます。これがまた気持ちいいんですよ。
温度差を楽しむのも醍醐味の一つ。「サ活」という言葉が生まれるほど、サウナ→水風呂→休憩のサイクルがブームに。でも、急激な温度変化は体に負担がかかるので、体調と相談しながら楽しむのがポイントです。
「あー、スッキリした!」そんな至福の時間を味わうために、蒸し風呂とサウナ、両方の特徴を知って上手に使い分けてみませんか?きっと、新しい発見があるはずです。友人や家族にも「実は蒸し風呂って〇〇なんだよ」と、今日知った雑学を教えてあげるのも楽しいかもしれません。
歴史ある蒸し風呂と、北欧発祥のサウナ。どちらも、人々の「気持ちよく過ごしたい」という想いから生まれた文化なんですね。そう考えると、どちらも素晴らしい発明だと感じませんか?