「ヤンキー」とは若者のスタイルのこと
「ヤンキー」と「不良」という言葉は、一緒の意味だと思われがちですよね。そもそも、ヤンキーという言葉がどこから来たのかを調べてみると、その始まりはアメリカにありました。
ヤンキーは、英語に直すと「Yankee」となり、南北戦争の頃は北部の人への蔑称として使われていたという説が有力です。しかしその後、海外の人から見た典型的なアメリカ人全体を指す俗称にもなりました。
日本では、大阪のアメリカ村で派手なアメリカ風のファッションを身にまとってうろついていた「不良っぽい若者」を、ヤンキーと呼び始めたようです。
これといった決まりがあるわけではありませんが、その時代によってリーゼントや金髪といったヘアスタイル、改造したバイクや車での集団行動が流行るなど、若者たちの1つのスタイルを指す言葉として扱われています。
「不良」は悪い行いをする人を指す
ところが、「不良」となると読んで字のごとく、「悪い行いをする人(様子)」のことを指します。社会の規範や法律を破り、時には暴力や脅迫行為などを通じて誰かに被害を与え、問題を起こす存在だと認識されているわけです。
不良を端的に言い換えれば、犯罪や非行に走る反社会的な若者となります。世間一般では、不良にはマイナスなイメージがつきまとうことも少なくありません。
「ヤンキー」と「不良」の違い
こうして「ヤンキー」と「不良」の語源や言葉の意味を見比べてみると、そこには大きな違いがあることがよく分かります。
基本的に、ヤンキーの中にも悪い行いをする人はいますが、ヤンキーがみんな犯罪行為をするかというとそうではありません。あくまで若者のサブカルチャーの1つを意味しているだけで、ファッションスタイルのみ踏襲しているという人も多くいます。
また、ヤンキーはその人のアイデンティティの確立にもつながっていることがあり、自身がヤンキーであることに誇りを持つ若者がいたり、憧れの対象になる場合もあるのです。
ところが、不良はさまざまな犯罪に関わる悪い若者であり、文化やアイデンティティの確立につながっているとは言えないと考えられています。
最近では「マイルドヤンキー」も登場
しかし、本来異なる意味を持つはずのヤンキーと不良を明確に分けず、同じものとして扱うケースもよくあるため、近年は新たな言葉として「マイルドヤンキー」が登場しています。
マイルドヤンキーは、「マイルド」が頭につくように、犯罪や非行に走ることなく、服装やスタイルのみを自分の生き方や生活に反映している現代の若者を指す言葉です。
その特徴には、地元や家族への深い愛情と、その土地で慣れ親しんだ友人たちとの仲間意識を強く持つことがあるのだそう。
悪そうなファッションは好みつつも、昔のヤンキーとは異なり上昇志向もあまりなく、意外と礼儀正しかったり、中身がしっかりしている人が多いと言われています。
ヤンキーと不良は似て非なるもの!
ヤンキーと不良は一緒だと思われがちですが、そうではないことをご紹介しました。
ヤンキーは独自のファッションやスタイルを愛する若者、不良は悪い行いをする若者という明らかな違いがあり、ヤンキーは「犯罪少年」や「非行少年」とはつながらないこともあります。
そして、最近ではマイルドヤンキーという新たな言葉が登場しました。こちらは明らかに犯罪や非行を行わない若者として定義されています。
時代に合わせて生まれる言葉を見る限り、これからはもっとヤンキーと不良の区別がされていくのかもしれませんね。