『レバニラ』と『ニラレバ』、どっちも正解だった!
「レバニラ炒め」と「ニラレバ炒め」、あなたはどちらの呼び方をしていますか?この定番メニューの呼び方、実は世代によって分かれることをご存知でしょうか。面白いことに、どちらも間違いではないんです。
実は日本では年代や地域によって、この呼び方が微妙に違います。例えば、関東のとある中華料理店のオーナーによると「うちは開店当時からニラレバ炒めって書いてたけど、お客さんの半分以上はレバニラ炒めって言って注文するんだよね」とか。逆に「レバニラ炒め」と書いているお店でも「ニラレバ下さい」という注文も珍しくないそう。
こんな風に、呼び方が2つ存在するのには、実は面白い歴史的な背景があったんです。
バカボンのパパが生んだ「レバニラ」の歴史
「レバニラ炒め」という呼び方が広まったきっかけ、実は国民的アニメ「天才バカボン」だったってご存知でしたか?1971年から放送されたこのアニメで、主人公の「バカボンのパパ」が「レバニラ炒めはないのか?」と言い出したのが始まりなんです。
この「西から昇って東に沈む」という独特の発想を持つパパは、既に日本に普及していた「ニラレバ」を、なぜか「レバニラ」と逆さまに読んでいました。全79話のうち14回も「レバニラ」という言葉を使ったそうで、当時の最高視聴率は約15%。その影響力は絶大でした。
面白いエピソードとして、原作者の赤塚不二夫さんが通っていた洋食店では、特別にレバニラ炒めを作ってもらっていたそう。もちろん赤塚さんは「レバニラ」派でした。
中国語では「ニラレバ」が正式?本場の呼び方
さて、この料理のルーツである中国では、「韮菜猪肝(ジウツァイジゥガン)」と呼ばれています。中国語を直訳すると、韮菜(ニラ)、猪肝(レバー)となり、「ニラレバ」の順番になるんです。
実は中国料理には、食材を並べる時の暗黙のルールがあります。副材料(野菜など)を先に、主材料(肉など)を後に持ってくるんです。例えば、青椒肉絲(チンジャオロース)も同じ。青椒(ピーマン)が先で、肉絲(細切り肉)が後ろになっています。
ただし、面白いことに現代の中国では「レバニラ」という呼び方も普及してきているそう。これは日本からの逆輸入といわれています。中国の食文化に詳しい専門家によると「今や中国でも両方の呼び方が通じる。むしろ若い世代は日本発の『レバニラ』の方を好んで使うケースも増えている」とのこと。
『レバニラ』と『ニラレバ』年代で分かれる不思議な呼び方の謎
2002年、NHK放送文化研究所が行った調査で興味深い結果が明らかになりました。当時の40代~60代は「ニラレバ」派が多く、それより若い世代は「レバニラ」派が多かったんです。
これは「天才バカボン」の放送時期と見事に重なります。つまり、アニメを子供の頃に見ていた世代が「レバニラ」と呼ぶようになったという仮説が有力なんです。
さらに言語学の専門家によると、日本語の発音の特徴も関係しているそう。「ラ行」が連続する「ニラレバ」より、「レバニラ」の方が発音しやすいため、自然と普及していったという見方もあります。
思わず誰かに教えたくなる!レバニラ雑学の世界
ここまで「レバニラ vs ニラレバ」の歴史を見てきましたが、いかがでしたか?アニメが言葉を変えてしまうほどの影響力を持っていたなんて、驚きですよね。
実は同じような現象は他の言葉でも起きているそうです。例えば「ハイレグ」を「ハイグレ」と呼んでしまう人がいるのも、人気アニメクレヨンしんちゃんの影響だとか。私たちの言葉は、意外なところから影響を受けて変化していくものなのかもしれません。
友達や家族と中華料理を食べに行ったとき、「実はこの料理の呼び方には面白い歴史があってね…」なんて話のネタにしてみるのはいかがでしょうか?きっと、楽しい会話が広がるはずです。
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