持ち運びに便利なペットボトルの不思議
飲み物が入っているペットボトルは、屋外に持ち運ぶ時にもとても便利な容器です。
しかし、ペットボトル容器を手に取ってみると、商品によって飲み口の色や形状が違うなど、なぜそうなっているんだろうと思う不思議なポイントがいっぱいあります。
今回はペットボトルに関する雑学から、気になる仕組みを解き明かしてみましょう!
ペットボトルにまつわる面白い雑学4選
1.飲み口の色は充填方法によって異なる
ペットボトルのキャップを開けると、飲み口が「不透明の白色」のものと、本体部分と同じ「透明」なものに分かれています。このように色が異なるのは、ペットボトルに内容液を充填する時の方法が違うからです。
飲み口が白色になっているのは、事前にPET樹脂を熱処理して硬くし、耐熱性を持たせているためで、高温で殺菌した液体を冷まさずにそのまま充填する際に使われています。ホットのお茶などは、飲み口が白色のものが多いでしょう。
一方で飲み口が透明なものは、内容液を加熱殺菌した後に冷却し、常温になったものを無菌室で充填しています。熱い液体を注ぎ入れるわけではないので、ペットボトルの飲み口が変形しないように事前に加工する必要もなく、本体と同じように透明なままです。
2.ペットボトルの形は中身に合わせて変えている
ペットボトルの形は大まかに分けると、四角く角ばったものと丸みを帯びたものの2タイプがあります。
角型のペットボトルは、高温殺菌した内容液を熱いまま注ぎ入れることで容器の殺菌もできるようにと少し硬く、頑丈な作りです。側面がでこぼこしているのは、中身を冷ます時に発生する減圧現象を抑え、ペットボトルが内側にへこまないようにするためです。
また、丸型のペットボトルは「耐圧用ペットボトル」と呼ばれ、炭酸飲料などを入れる時に使われています。炭酸飲料はガスによって外側に膨張しようとする力が働くので、その圧力をまんべんなく分散できるように丸みを帯びた形になっています。
丸型のペットボトルの底面が花びらのような5つの突起状に加工してあるのも、炭酸ガスによる圧力を分散するための工夫です。
3.色がついたペットボトルはリサイクル品の可能性あり
ペットボトルの中には、無色透明のものだけでなく、うっすらと黄色や茶色、灰色がかったものも存在します。これは、ペットボトルが古くなっているわけではありません。
PET樹脂を再生してリサイクル品として作り直すと、このような色がついたペットボトルになることがあります。当然ながら中身の質は問題なく、安全においしく飲めることに変わりありません。
ちなみに、無色透明で持つとへこみやすい軽いペットボトルは、環境への配慮としてあらかじめ容器に使われるPET樹脂の量を減らしています。これは主に、高温殺菌する必要がなく、炭酸飲料でもないミネラルウォーターなどを入れる時に使われるペットボトルです。
4.ペットボトルのキャップの大きさは各社共通
国内のメーカーが製造するペットボトル飲料に取り付けられているキャップは、基本的には共通規格の直径28mmほどで作られています。
そのため、製造メーカーが異なる飲料のキャップを入れ替えてみても、ほとんどがきちんと閉まります。
ただし、海外では別の規格で作られているため、日本で作られたペットボトル飲料のキャップをはめようとしても、うまくはまらないことが多いでしょう。
ペットボトルで飲む時には雑学を思い出してみて!
ペットボトルの豆知識はいかがでしたか?飲み口の色や形がそれぞれ違うのは、製造時の充填方法や内容液の種類に最も合うものを選んで変えているからです。
ペットボトルで飲み物を飲む時には今回の雑学を思い出して、各メーカーによってどんな違いがあるのかをチェックしてみるのも楽しいかもしれませんね!