ふりかけ『ひろし』の由来とは?
スーパーのふりかけコーナーで「ひろし」という名前を見つけたとき、思わず二度見した人は少なくないでしょう。
これまで「ゆかり」「かおり」「あかり」など、女性の名前が並んでいた三島食品のふりかけシリーズに、突然現れた「ひろし」。一体なぜこの名前になったのか?そして、その背景にはどんな物語があるのか?
まずは、「ひろし」の核心に迫ります。
三島食品のふりかけシリーズに『ひろし』が登場!
ふりかけの代表格といえば、「ゆかり」を思い浮かべる人が多いでしょう。赤しその風味が特徴的な「ゆかり」は、1970年に三島食品から発売されて以来、長年にわたり愛され続けています。
その後、「かおり」(青じそ)、「あかり」(ピリ辛たらこ)、「うめこ」(カリカリ梅)といったバリエーションが加わり、いつしか「ゆかり三姉妹」と呼ばれるようになりました。
そんなシリーズの流れに突如として登場したのが「ひろし」です。これまでのラインナップと明らかに異なる点は、そのネーミング。
「ゆかり三姉妹」までは女性の名前が採用されていたのに対し、なぜ「ひろし」は男性名になったのか?SNSでも「知らない男がいる」「ゆかりの彼氏?」などと話題になりました。
しかし、三島食品がこのネーミングを決めた理由は、実にシンプルなものでした。
なぜ『ひろし』?広島菜が生んだネーミングの妙
広島菜の名前をどうする?社内での試行錯誤
ふりかけ「ひろし」の名前のルーツは、広島県を代表する野菜「広島菜」にあります。
広島菜は、長野県の野沢菜、九州の高菜と並ぶ「日本三大漬菜」の一つ。シャキシャキとした食感とさっぱりとした風味が特徴で、広島では古くから漬物として親しまれてきました。
この広島菜を主役にしたふりかけを開発するにあたり、三島食品の社内では「広島菜をイメージできる、分かりやすい名前をつけたい」というテーマが掲げられました。広島菜の持つ鮮やかな緑、爽やかな香り、そして食感の良さを表現できるネーミングはないか——試行錯誤が始まります。
「ひろし」か、それとも「ひろこ」か?
開発初期の段階では、「ひろしま」の「ひろ」から取って「ひろこ」という名前が候補に挙がっていました。「ゆかり三姉妹」に続く新しいシリーズであるなら、女性の名前のほうが統一感があるという考えもあったのです。
しかし、最終的に発売直前で「ひろし」に変更されました。決め手になったのは、社長の「広島菜らしさをもっと強調したい」という想い。「広島菜の『ひろ』をストレートに伝えつつ、親しみやすい名前にするなら『ひろし』のほうがインパクトがある」という理由から、思い切って男性の名前が採用されたのです。
「ひろし」が持つインパクトと親しみやすさ
実際に「ひろし」と名付けられたことで、ふりかけ業界では異色の存在となり、SNSでは「知らない男がいる」と話題に。さらに、「ふりかけの中にひろしって…?」という意外性が、商品の認知度を一気に押し上げました。
もし「ひろこ」だったら、三姉妹の流れに自然に溶け込んでいたかもしれません。しかし、「ひろし」という予想外の名前だからこそ、多くの人が興味を持ち、ふりかけコーナーで目を引く存在になったのです。
「ゆかり」の仲間たちと『ひろし』の関係とは?
「ひろし」が三島食品のふりかけシリーズに登場したとき、多くの人が気になったのは「他のふりかけとどういう関係なのか?」という点でした。それまでの「ゆかり」「かおり」「あかり」「うめこ」は、SNS上で「三姉妹」として親しまれていました。そこに突然「ひろし」が加わったことで、「長男なのか?」「新しい恋人?」といったさまざまな憶測が飛び交うことに。
しかし、三島食品の公式見解では、「それぞれ独立した商品であり、特に家族関係の設定はない」とされています。とはいえ、SNSでの盛り上がりを見た三島食品は、公式アカウントでも「三姉妹」としての認識を取り入れるようになり、結果的に「ひろし」の登場がさらに話題を呼びました。
『ひろし』ふりかけは何味?美味しさの秘密
「ひろし」というユニークな名前に注目が集まりがちですが、やはり一番大事なのは味。結論から言えば、「ひろし」は単なるネタ商品ではなく、しっかり美味しいふりかけなのです。
「ひろし」はふりかけではなく、混ぜごはんの素
実は「ひろし」は、一般的なふりかけのようにパラパラとご飯にかけるのではなく、混ぜ込んで食べるタイプの商品。広島菜の風味を最大限に引き出すために、ご飯にしっかりなじませることで本領を発揮します。
《味の特徴》
- 塩味がしっかりしていて、ご飯との相性抜群
- シャキシャキとした食感がクセになる
- シンプルながらも奥深い味わいで、和食好きにはたまらない
食べ方のアレンジも豊富で、炊きたてのご飯に混ぜて蒸らすと、広島菜の食感が絶妙に変化します。また、少量のごま油を加えておにぎりにすると風味がアップし、さらに美味しく楽しめます。
続々登場する『ひろし』の進化系!「鮭ひろし」とは?
「ひろし」が話題になったことで、さらに進化した「鮭ひろし」という商品が登場しました。「ひろし」は広島菜単体のふりかけでしたが、「鮭ひろし」はそこに紅鮭の旨みをプラス。広島菜の緑と紅鮭のピンクのコントラストも美しく、見た目にも食欲をそそります。
《「鮭ひろし」の魅力》
- 広島菜のさっぱり感に紅鮭の旨みが加わり、さらにご飯が進む
- おにぎりだけでなく、パスタやサラダのトッピングにも相性抜群
- ふりかけ業界の新たな進化を感じさせる一品
「ひろし」の人気が広がったことで、新たなバリエーションが生まれたわけですが、今後もさらなる新商品が登場するのではないかと期待されています。
『ひろし』はどこで買える?手に入れる方法
「ひろし」は話題になった影響で、発売当初は品薄状態が続きました。現在は比較的手に入りやすくなっていますが、それでも店舗によっては見つけにくいことも。確実にゲットするためには、以下の方法をチェックしましょう。
《購入できる場所》
- 全国のスーパー(特に大手チェーン)
- 100円ショップ(ダイソーなど)
- 三島食品の公式オンラインショップ
- Amazonや楽天市場などの通販サイト
スーパーでは「ゆかり」と並んで販売されていることが多いですが、店舗によっては取り扱いがない場合も。確実に手に入れたい場合は、通販を利用するのがベストです。
あなたも誰かに教えたくなる『ひろし』の面白さ
「ひろし」は、単なるふりかけではなく、ネーミングの妙やシリーズとの関係性など、多くの話題を提供してくれるユニークな商品です。広島菜を使ったシンプルなふりかけが、名前ひとつでここまで注目されるとは、誰も予想していなかったでしょう。
もし「ひろしって何?」と誰かに聞かれたら、ぜひ今回の雑学を披露してみてください。「ゆかり三姉妹」との関係や、「ひろし」の由来を話すだけで、ちょっとした会話のネタになります。
これからも三島食品がどんな新商品を出してくるのか、期待せずにはいられませんね。