『ピエロ』と『クラウン』
ピエロとクラウン。どちらもカラフルな衣装に身を包み、コミカルな動きをする道化師のイメージがありますが、この二つの言葉には違いがあるのか? それとも同じ意味なのか?気になりますよね。
今回は、「ピエロ」と『クラウン』の違いをわかりやすく解説します。ピエロとクラウンの違いが気になっていた方は、ぜひ最後まで読んでみてください!
そもそも「ピエロ」とは…
諸説ありますが、ピエロは16世紀後半のイタリアで生まれた即興劇「コメディア・デラルテ」に登場する道化役が起源とされています。元々は「アルレッキーノ」というキャラクターが人気を博していましたが、さらなる道化役が求められるようになったことをキッカケに、フランスで「ピエロ」が誕生したとされています。フランスの農民をモデルにし、「ピエール」という一般的な名前が由来だそうです。
その後、ピエロはフランスのパントマイムなどにも取り入れられ、滑稽な動作や独特の白塗りメイクが特徴的なキャラクターへと発展。大きな襟とボタンのついた白い衣装をまとい、コミカルな仕草で観客を笑わせる存在として、サーカスなどで活躍するようになりました。
ちなみに現代のピエロのイメージは、19世紀のフランスの道化師ドゥビュローによって確立されました。
それでは『クラウン』とは…
一方、クラウンとは「おどけ者」全般を指す言葉で、日本語では「道化師」と訳されることが多いです。英語の「Clown」には、「田舎者」や「無骨者」といった意味も含まれています。その語源については諸説ありますが、古英語の「clod(田舎者)」や古代ノルウェー語の「kluni(無骨)」に由来するとも言われています。
現在のクラウンは、サーカスで曲芸の合間をつなぎ、観客を楽しませる役割。18世紀のイギリスにおいて、当時の曲馬ショーの合間に滑稽な演技をしていた役者が、自らを「クラウン」と名乗ったことが始まりとされています。単なるパフォーマーではなく、観客とのやり取りを通じて場を盛り上げる役割も持っています。
『ピエロ』と『クラウン』の違いとは
つまるところ、ピエロとクラウンの違いは結局何なのか?その答えは、ピエロは役名、クラウンは道化師全体を指すという違いです。
クラウンは、道化師を指す広い意味を持つ言葉で、ピエロはその中の一つの役名。ピエロは特に悲しみを表現するクラウンのキャラクターで、涙をつけた悲しげなメイクが特徴です。このメイクがない場合、そのキャラクターはピエロとは呼べません。
日本では、クラウンのパフォーマンスが紹介された際、多くが「ピエロ」として紹介されたため、道化師全般がピエロだと誤解されるようになりました。結果的に、両者の意味が逆転して伝わってしまったとされています。要するにピエロは数あるクラウンの中のひとつということなのです。
今回の雑学、サーカスなどでピエロやクラウンを目にした時にでも思い出してみてください。きっとその演目がいつもよりも面白く感じられることでしょう。
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