買ったゴーヤの「爆発」は完熟が原因

買ってきたゴーヤが、気づいたら黄色くなってぱっくり裂けていた――。初めて見れば「野菜が爆発した?」と驚きますが、これはゴーヤが完熟したときに起こる変化です。
ゴーヤは熟しきると果皮が自然に開き、最終的には3つに裂けて、中の種子と赤くなった部分を露出させます。
危険物のように破裂しているわけではなく、成熟した果実が開く「裂開」と呼ばれる現象です。
畑になっている実ならまだしも、「買ったゴーヤがどうして?」と思うかもしれません。ポイントは、収穫された時点で成熟の変化が完全に止まるとは限らないことです。
ゴーヤには、収穫後にも後熟して黄色くなることが確認されている品種があります。
しかも、ゴーヤは外側が黄色くなるより先に、内部にある種子周辺の部分が赤く熟していきます。見た目にはまだ緑色が残っていても、中では成熟が進んでいる場合があるのです。
そのため、買ったときには普通に見えたゴーヤが、家に置いている間に熟し、最後に果皮が開くと「急に爆発した」ように感じられます。果皮が裂けること自体は完熟でも起こるため、それだけで腐敗したとは判断できません。
家庭栽培の記録には、完熟したゴーヤが「パンッ」と音を立てて裂けた例もあります。「パンッ」と音がした例はありますが、音の有無や大きさまでは一般化できません。
「爆発」という言葉はなかなか物騒ですが、実際に起きているのは熟した果実が開く現象です。
ゴーヤの赤い部分は甘く食べられる

裂けたゴーヤでもう一つ驚くのが、中から現れる鮮やかな赤色です。
普段切るゴーヤでは白いワタや種を見慣れているだけに、真っ赤な中身を見ると「腐ってしまったのでは」と思うかもしれません。
しかし、この赤色も成熟したゴーヤの姿です。赤くなるのは硬い種子そのものではなく、その周囲を包んでいる部分で、種苗会社では「種衣(仮種皮)」と案内されています。
さらに意外なのは、ここが甘くなることです。苦い野菜の代表格ともいえるゴーヤですが、完熟した赤い部分には甘みがあり、食べることができます。
赤く目立つ姿には、動物に見つけてもらい、種子を運んでもらう種子散布との関係もあると説明されています。
黄色く柔らかくなった完熟果についても、食用にした例があります。ただし、完熟して色が変わることと、保存中に傷むことは別です。
屋外ですでに裂けていたものなどは衛生面にも注意が必要で、「爆発したゴーヤなら何でも食べて大丈夫」という意味ではありません。
普段食べている緑のゴーヤは未熟な実

では、なぜ私たちは黄色く裂けたゴーヤをほとんど見ないのでしょうか。実は、スーパーや食卓でおなじみの緑色のゴーヤは、完熟する前に収穫された実だからです。
食用のゴーヤは一般に、果皮がまだ緑色で若いうちに収穫されます。そのまま成熟させれば、緑色だった果皮は黄~橙色へ変わり、内部では種子の周囲が赤くなり、やがて果皮が裂けて開きます。
つまり、緑色のゴーヤは植物として完熟した姿ではありません。料理に使いやすい未熟な段階で収穫された姿を、いつも見ているのです。
「ゴーヤが爆発した」と聞くと異常事態のようですが、見方を変えれば、その逆です。黄色くなって赤い中身を見せながら裂けるところまで熟す前に、私たちがいつもゴーヤを食べていたのです。
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