始球式の歴史に迫る!空振りのきっかけはあの有名人?
始球式でバッターが大きく空振りするシーンはおなじみですが、実はこの「空振り」、日本で始まった風習です。
始球式が初めて行われたのは1908年。早稲田大学と来日したアメリカ大リーグ選抜チームの試合で、早稲田大学創設者で政治家の大隈重信が投手役を務めたのがきっかけです。
しかし、大隈が投げた球はストライクゾーンを大きく外れてしまい、普通なら「ボール」扱いになるところでした。ここで早稲田大学の打者・山脇正治がとっさに「大隈先生に恥をかかせてはいけない」と考え、わざと空振りをして「ストライク」にしたのです。
このエピソードがきっかけとなり、以来、始球式ではバッターが空振りするのが慣例となりました。
始球式で空振りする理由は?日本ならではの「敬意」の表し方
バッターが空振りをする理由には、大隈重信のエピソードに見る「敬意」が関係しています。投手役を務めるのは多くが野球とは無縁の著名人や芸能人で、彼らに対して「打ち返さない」ことが礼儀として定着したのです。
空振りをすることで投手役を立てる、日本ならではの心遣いですね。例えば、アイドルやタレントが緊張しながら投球する中、バッターが打ってしまっては、場の空気が悪くなることも考えられます。こうした「お約束」があるからこそ、投手役の人も気軽に楽しめるわけです。始球式はスポーツの場でありながら、心温まる一面もある行事なのです。
実は空振りしない場合も?始球式で打たれた珍プレー集
とはいえ、全ての始球式でバッターが空振りをするわけではありません。時には「お約束」を破って打ち返されることもあります。例えば、1996年の広島市民球場で行われた試合では、元広島カープの山本浩二が始球式でホームランを放ち、観客を驚かせました。
また、お笑い芸人サンドウィッチマンの伊達みきおは、楽天の始球式で毎回ヒットを打たれるのが「お約束」となり、ファンの笑いを誘っています。こうした珍プレーがあると、球場が一層盛り上がります。始球式は、スポーツの緊張感の中にもユーモアがあふれる場でもあるのです。
空振りの理由は敬意だけじゃない!安全面も重要
始球式で空振りが行われるのは、投手役への敬意だけでなく、安全面にも配慮してのことです。実際、始球式には野球経験のない一般の方や芸能人がマウンドに立つことが多く、投げられるボールがどこに飛ぶか予測できないことがあります。特に、練習の少ない投球だとコントロールが難しく、思わぬ方向に球が逸れてしまうことも少なくありません。
こうした不安定な投球をバッターが真剣に打ち返した場合、球が投手や観客の方に飛んでしまい、思わぬ事故につながる可能性があります。このため、どのような球が来ても空振りで済ませるのが、始球式の場における安全を守る基本的なルールとなっています。
野球の技術だけでなく、周囲への安全配慮も含めての「空振り」というわけですね。
ヒーローもホラーも登場!現代の始球式はエンタメ満載
最近の始球式は、野球ファンだけでなく、さまざまな層に楽しんでもらえるイベントとして進化しています。スポーツ界のスターや有名キャラクターが登場することも増え、観客を楽しませる工夫が凝らされています。
例えば、ウルトラマンや仮面ライダーが登場したり、ホラー映画の貞子がピッチングを披露するという異色のコラボレーションが行われ、スタジアムに大きな笑いと驚きが起こりました。始球式は単なる儀式ではなく、観客を楽しませるための重要なエンターテインメントの一部となっています。
始球式の空振りの謎を友達にも教えてあげよう!
空振りの理由や始球式にまつわるユニークなエピソードを知っていると、野球観戦が一層面白くなります。次に友人や家族と観戦するときには、ぜひ今回の話をシェアしてみてください。始球式の空振りには、日本の礼儀とユーモアが詰まっているのです。