『氷』を電子レンジに入れるとどうなる?まさかの不思議な結果に驚き!

雑学

氷を電子レンジで温めても「溶けない」

食材や飲み物を温めたい時に、とても便利な電子レンジ。しかし、「氷」に対しては、温めモードを使用しているにも関わらず、意外な結果になることをご存じでしょうか。

一般的には、電子レンジに氷を入れてみると本来の温める効果が発揮され、溶けて液体になってしまうと予想する人が多いはずです。ところが、カチカチに凍った氷を実際に温めてみると…驚くことに溶けません!

また、水の入った容器と氷の入った容器を並べて電子レンジで温めてみても、水の温度はきちんと上がって温かくなる一方で、氷はほとんど溶けないという面白い結果になります。

電子レンジで温めても氷が溶けにくい理由

氷が不思議と溶けない理由は、電子レンジの温め機能の仕組みにあります。

電子レンジで何かを温める時には、マイクロ波という電磁波が出て、温めるものの中に含まれる水の分子を揺り動かします。すると、水の分子同士が内部でぶつかり合うことで摩擦が生まれ、熱を生み出すようになっているのです。

こうして生まれた水の分子の熱は周りにも伝わっていくため、液体状の飲み物だけでなく、お弁当の中の具材やご飯まで全体がうまく温まります。

ところが氷の内部では、分子がきっちりと並んで、固く結びついている状態です。マイクロ波で分子を揺り動かしてもなかなかその結びつきは壊れず、熱が生み出せません。

氷の中の分子の結びつきを解いて、大きく揺り動かすにはたくさんのエネルギーも必要になるため、電子レンジで温めてみてもすぐには氷が溶けないというわけです。

条件が変われば氷も電子レンジ内で溶ける

しかし、少しでも条件が変わると、溶けにくいはずの氷も電子レンジで溶けるようになります。もしも氷を電子レンジに入れた時にあっさりと溶けてしまった場合は、次のような条件に当てはまっていなかったか確認してみましょう。

氷の表面が少し溶けてしまっていた

冷凍庫から取り出した後、少し時間が経った氷を電子レンジで温めると、予想よりも早く溶けてしまいます。これは、氷の表面が少し溶け始めて、水に覆われた状態になっていたせいです。

氷の表面に電子レンジのマイクロ波の影響を受けやすい水の分子があれば、まずはそこで熱が生み出され、氷の中心部にも徐々に伝わっていきます。

試しに、冷凍庫から出したての氷と、霧吹きなどで表面に水をかけた氷を同時に温めてみると、その違いがはっきりと分かりやすいでしょう。

ちなみに、冷凍食品の加熱ムラもこれが理由で起こります。冷凍庫から出して室温に置いておき、少し溶けた状態で加熱を始めると、表面にだけすぐに熱が生み出されて煮える一方で、中心部は凍ったままになりやすいです。

冷凍食品をうまく温められないなと感じる時には、冷凍庫から出してすぐに電子レンジに入れることを意識してみてください。

容器が温まってしまった

氷はカチカチに凍っていても、入れている容器や電子レンジのターンテーブルが温まり、その熱が伝わって氷が溶けてしまうこともあります。特に、水滴がついて濡れている容器を使うと、マイクロ波が作用して容器に熱を生み出しやすくなるでしょう。

電子レンジに氷を入れて溶けないかどうか実験してみる時には、しっかりと乾かした容器を氷と一緒に直前まで冷やしておくか、温まりにくい容器に入れて試してみることをおすすめします。

電子レンジで氷を温める時は注意しながら行おう

電子レンジで氷を温めても溶けないという不思議な現象を知ると、家でも試してみたくなりますよね。楽しい実験になること間違いなしですが、行う時には必ず電子レンジから変な音がしたり、異常が出ないかそばで見守りながらやってみましょう。

また、ペットボトルを凍らせたものを電子レンジで温めると、容器が変形したり、破裂する危険な事故が起きる可能性もあります。氷は加熱しても問題ない耐熱容器に入れて、安全に注意して試してみてくださいね。

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