ポン酢の『ポン』って何なの?普段食べているものはポン酢ではない可能性も…!?

雑学

「ポン酢」はオランダ語由来の調味料

肉や魚を使ったメインの料理やサラダに至るまで、さっぱりとした味付けができて、幅広い使い道があるポン酢を食卓に常備しているという家庭は多いのではないでしょうか。

しかし、日本ではとてもポピュラーな調味料にも関わらず、その名前の由来は意外と知られていません。特に、ポン酢の「ポン」とはいったい何なのか気になりますよね。

実は、ポン酢は柑橘類の果汁を意味するオランダ語の「ポンス(pons)」から命名されたという説が有力です。実際に、ポン酢には「ゆず」や「すだち」、「かぼす」などのさまざまな柑橘果汁が使われています。

また、1本のポン酢に使われる柑橘類は、1種類だけのものもあれば、複数種類の柑橘果汁を混ぜ合わせているものもあり、その柑橘ごとの風味の良さを生かしながら作られています。

いつものポン酢は「ポン酢」じゃない!?

ポン酢の由来を知らなければ、「ポン」は「ポンカン」などの果物のポンからきているのではないかと想像してしまうかもしれません。けれども、ポン酢の由来となった「ポンス」はそれだけで1つの単語となっており、「ポン」と「酢」に分かれているのではありません。

本当なら、ポン酢は柑橘類の果汁のことだけを意味する言葉だったのですが、保存性を高めるために酢を混ぜ、ポンスの「ス」に「酢」を当てるとちょうど良かったことからポン酢となりました。

つまり、細かいことを言えば、日頃から食べているポン酢は名前の元になったポンスとは違うものということになります。

しかし日本では、柑橘果汁と酢を組み合わせて当て字にしたポン酢が名前として分かりやすく、使い勝手の良さもあったために、そのままどんどん広まっていったのです。

しょうゆを足したものは「ポン酢しょうゆ」になる

さらには、スーパーなどで販売されているほとんどのポン酢には、柑橘果汁と酢だけでなく、しょうゆや食塩などの他の調味料も加えられているのが一般的です。

本来なら、こういったしょうゆなどが加えられたものはポン酢ではなく「ポン酢しょうゆ」や「味付けポン酢」として区別されていますが、今では「ポン酢と言えばポン酢しょうゆ」と連想されるくらいメジャーとなっているため、これらも広い意味で「ポン酢」と呼ばれています。

純粋に、柑橘類の果汁と酢だけで作られた黄色いポン酢を探そうと思っても案外難しく、店頭で見かけるのはしょうゆが加えられた黒っぽいポン酢であることの方が多いでしょう。

進化を遂げる多様なポン酢

最近のポン酢は、出汁のうまみを加えてよりおいしくなっているものが増えているほか、その地域ならではの特産品となっている柑橘類で作り、販売されていることもよくあります。

みかんやオレンジ、レモン、はっさく、シークワーサーなど、使っている柑橘類によって香りや味わいにも大きな違いが出るため、旅先で見かけたらお土産として購入してみるのもおすすめです。

そして、「変わり種」とも言えるポン酢の中には、こしょうや唐辛子といったピリッとくるスパイスや、ごま、にんにく、カキしょうゆといった素材を加えた商品も生み出されています。

好みのポン酢を探すのが楽しくなってくるほど進化しているため、お気に入りの1本をぜひ見つけてみましょう。

ポン酢の由来を調べると意外な事実が判明

普段からよく使われているポン酢は、実はポン酢しょうゆと呼ばれるもので、ポン酢とはちょっと違うものだということが分かりました。また、ポン酢そのものも、由来となったポンス(柑橘果汁)に酢を加え、当て字で命名したというのは面白いですよね。

調味料の歴史を調べてみると、意外な事実が隠れているかもしれません。ポン酢を使う時には、この豆知識を思い出してみてくださいね。

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