『ラニーニャ現象』と『エルニーニョ現象』とは？それぞれの違いを解説

『ラニーニャ現象』と『エルニーニョ現象』

天気予報などで耳にする「ラニーニャ現象」や「エルニーニョ現象」。これらは世界の気候に大きな影響を与える現象ですが、具体的にどういったものかご存じでしょうか？実は、海の温度変化が関係しており、日本の天候にも影響を及ぼすのです。

今回は、ラニーニャ現象とエルニーニョ現象の違いをわかりやすく解説。最後までお読みいただくと、ちょっぴり物知りになれることでしょう。

『ラニーニャ現象』とは

『ラニーニャ現象』とは、太平洋赤道域の中央から南米沿岸にかけての海面水温が平年より低くなる現象のこと。後述する「エルニーニョ現象」とは逆の気象パターンです。数年に一度発生し、日本を含む世界各地の天候に影響を与えます。

このラニーニャ現象が起こると、日本では季節の変化が極端になりやすく、夏は猛暑、冬は寒さが厳しくなる傾向があります。特に冬は、西高東低の気圧配置が強まり、寒気が流れ込みやすくなるため、大雪が降ることも。また、春や秋の快適な時期が短くなり、気温の変動が大きくなるのも特徴です。

発生のメカニズムとしては、西太平洋の海面水温が上昇し、インドネシア周辺で積乱雲が活発になることで強い上昇気流が発生。これにより下降気流が太平洋高気圧を強め、結果的に東太平洋の海水温を下げるのです。

『エルニーニョ現象』とは

一方「エルニーニョ現象」とは、太平洋赤道域の中央から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなる現象のこと。こちらも数年に一度のペースで発生します。

「エルニーニョ現象」が発生すると、日本では季節の変化が緩やかになる傾向があります。夏は太平洋高気圧の勢力が弱まり、気温が低く日照時間が短くなるため、冷夏になりやすくなります。対して、冬は西高東低の気圧配置が弱まることで寒気の流れ込みが抑えられ、暖冬になりやすくなります。また、西日本の日本海側では降水量が増えることも特徴です。